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『ジェノサイバー 虚界の魔獣』 壱

1話のまとめ

自己目的化した破滅

1.魔都香港
・犯罪を犯す少年達
・怪しげな研究をするマッドサイエンティスト
・警察を容易く殺してしまうケネス
・兵器の実験場として、設定上魔都のイメージが要請されている
・毒々しい色使いの香港の町並み
・少年の死を知り、香港を消滅させた後の単色の世界
☛破壊以前の猥雑で複数性のある生の世界と、破壊後の単色でエレン個人しか存在しない世界が対比される。

2.肉体の精神に対する優位性とヴァジュラ
・ダイアナは肉体が弱く、エレンは知能が幼児並みであるという設定
・エレンに嫉妬し、殺そうとするダイアナだが、より強大なエレンの力に敗れる
・ダイアナの「自分は付属品」という劣等感
・マッドサイエンティストはエレンとダイアナを補完し合うものとして見ている一方、両者の融合による超越的な力を求めている
・ダイアナを圧倒し、肉体を奪うエレン
・ヴァジュラは肉体に移る影=内宇宙から来る謎のエネルギーである
☛肉体を司るエレンの力は、全編においてダイアナの力に優越している。一旦は肉体を破壊する事に成功したダイアナだが、結局エレンの肉体より発生する「ヴァジュラ」の力によってエレンに肉体を奪われてしまう。3章でも触れるが、刑事が殺される描写や、サイボーグ達のセリフにも肉体の優位性を見る事ができる。

3.滅びのイメージと美
・グロテスクな肉体描写
・過剰に肉体を肥大化させた(炎に包まれているのに頓着しない特別な肉体)サイボーグ達の価値観→焼き払われる香港と超越的な力であるジェノサイバーを美しいと形容する→ジェノサイバーを殺したいという欲望→サイボーグ達は巨大な破壊と、それを可能にする超越的な力に美を見出している
・身体を切り裂かれる刑事→意識はまだまともである事で、肉体に行使された暴力に対して無力な精神と図式化されている→グロテスクな描写に対する映像的嗜好
・戦闘を終えたエレンは無垢な少年の幻影を見るが、少年の肉体は破壊された後である→肉体はジェノサイバーVS少年の死体、精神はエレンVS少年という図式になっている。
・ダイアナの「身体の弱さ」という設定を補うための機械の身体が、エレンという肉体「肉体が強く精神が弱い」存在に奪われる事で、肉体性だけが過剰に肥大化したジェノサイバーが誕生する。
☛ ジェノサイバーに見られる肉体や都市の破壊は、精神や意識を超越するが故に美しい。そして過剰な肉体によってもたらされる暴力や破壊が大きければ大きい程、精神の弱さと儚さが際立つ。この作品は、醜悪な身体描写やそれに対するフェチズムと物理現実の前に無力な精神を対比させる事で、グロテスクな肉体に宿る美と、その肉体の前に敗北を余儀なくされる精神の美を共に描いている。その意味で、この作品における暴力や破壊は表現の「手段」ではなく「目的」である。
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