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『ジェノサイバー 虚界の魔獣』 伍

5話まとめ
☛地下の虐殺によって、弱者の犠牲の上に成り立つ悪の世界が明示される。その世界に絶望したエルは、悪の世界を壊滅させる力をジェノサイバーに求める。
クリュウの放った刺客とは地球の軌道上に作られた軍事衛星だった。
・リュウがダイアナの嫉妬によってエルから遠ざけられた事が結果としてエルの死につながる→この作品には理性への不信が根底にある。肉体の優位性や科学の否定的な描かれ方も、そういった視点から見るべきだろう。

以上全話通しての雑感を元にこの作品をまとめると、以下のようになるだろうか。
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『ジェノサイバー 虚界の魔獣』

現世否定と破壊の神 もしくは精神と肉体の弁証法

1.地獄である現世・悪の世界
・魔都香港 ・無垢な少年を殺す街 ・悪の科学者による非人間的な実験を許容する世界
・一般市民を虐殺する軍隊 ・科学者の狂気と科学の暴走 ・狂気に陥った軍医の言葉
・悪の街として描かれるアークドグランシティ
☛ジェノサイバーが破壊する世界は悪の世界として描かれている

2.精神に対する肉体の優位性と肥大化する肉体
・ダイアナの嫉妬とエレンとの力関係 ・ケネスの構想「精神と肉体の調和」 ・肉体を破壊される刑事 ・マインドシャドウは肉体に宿る ・過剰に強力な肉体を持つサイボーグ
・狂気に陥る軍医 ・軍艦と一体化するヴァジュラノイド ・嘲笑される信仰 ・手だけになって生き残るヴァジュラノイド→肉体の増殖性と自律性
・ダイアナの嫉妬とエルの死
・薬物により精神を崩壊させられるリュウ ・お願いするダイアナと、それを受容するという関係のエレン
☛肉体は常に精神に先行し、優位に立つ。肉体は暴力を司り、精神はそれを制御しようとし続けるが肉体はそれを聞こうとはしない。精神と肉体の緊張関係は、ダイアナとエレンの和解によって最後に一応止揚され、収束する。

3.滅びのイメージと美
・サイボーグ達の言葉 ・膨張し、増殖するグロテスクな身体 ・肉体と対比される精神と霊魂 ・有機物と無機物の結合
・架空の社会と地下の屍
☛三話まではグロテスクな肉体そのものへのフェティシズムと、それを破壊するカタルシスを描き、それが脆弱で無垢な精神の美しさを引き立てる構造をしている。四話以降は社会それ自体を破壊するカタルシスと、そこで残されるべき美しい存在が描かれる。

4.破壊による勧善懲悪
・悪の世界を破壊し続けるジェノサイバー ・肯定されるべき味方と破壊されるべき敵
☛ジェノサイバーは悪の世界を破壊する存在である。その悪と対比される善の存在が毎回必ず現れる。最終的に悪の全てを破壊するジェノサイバーだが、精神(=ダイアナ)と肉体(=エレン)の和解=精神と肉体の緊張関係の止揚によって、エルとリュウを生き返らせ、エルの視覚を再建する。宇宙に飛び去る前に、エルを復活させたジェノサイバーの姿にエレンとダイアナが被さるシーンがあるが、あそこでついにジェノサイバーは破壊とは違った行為をしたわけだ。それは被さっているイメージがエレンだけではなく、ダイアナが共にいるからである。

この文章は、作品を一話ずつ鑑賞し、直後に要素をまとめるという形式で書き進めた。予備知識や周辺情報は特になく、他のサイト等も見ていないが、そもそも古い作品のようだから誰も知らないかもしれない。鑑賞の動機は神山健治が作画スタッフとして参加していたというツイートによる。
出来は一話が最も優れており、以降は基本的に一話を反復しているだけのようにも見える。ただし、二話目以降がなければ作品をきちんと整理する事は困難だとも思う。その意味で二話目以降が蛇足だとは思わない。
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